介護職員処遇改善加算について

2017年12月21日

介護職として頑張っている従業員の給与をアップしたい!

そんなとき活用したいのが「介護職員処遇改善加算」です。福祉・介護職員の賃金や処遇の改善を促進するために創設された制度です。

「介護職員処遇改善加算」は、すでに取得されている事業所も多いかと思いますが、改めて、その内容をおさらいしていきましょう。

「介護職員処遇改善加算」は職場環境改善への取り組みの状況により、もらえる金額が変わります。

取り組み状況は、「職場環境要件」と「キャリアパス要件1〜3」の達成状況(クリアした数)によって判定されます。

各加算の達成条件は下記の通りです。

加算1・・・「職場環境要件」と「キャリアパス要件1〜3」すべて達成
加算2・・・「職場環境要件」+「キャリアパス要件1」+「キャリアパス要件2」
加算3・・・「職場環境要件」+「キャリアパス要件1」or「キャリアパス要件2」
加算4・・・「職場環境要件」or「キャリアパス要件1」or「キャリアパス要件2」
加算5・・・「職場環境要件」、「キャリアパス要件」いずれも満たさない

最も高い加算1と最も低い加算5の差は月額2万円/1人程度です。

では、「職場環境要件」と「キャリアパス要件」について確認しましょう。

職場環境要件

(資質の向上)
(1)働きながら介護福祉士取得を目指す者に対する実務者研修受講支援や、より専門性の高い介護技術を取得しようとする者に対する喀痰吸引、認知症ケア、サービス提供責任者研修、中堅職員に対してマネジメント研修の受講を支援(研修受講時の他の介護職員の負担を軽減するための代替職員確保を含む)する
(2)研修の受講やキャリア段位制度と人事考課を連動させる
(3)小規模事業者の共同による採用・人事ローテーション・研修のための制度を構築する
(4)キャリアパス要件に該当する事項(キャリアパス要件を満たしていない介護事業者に限る)
(5)その他

(職場環境・処遇の改善)
(1)新人介護職員の早期離職防止のためのエルダー・メンター(新人指導担当者)制度等を導入する
(2)雇用管理改善のための管理者の労働・安全衛生法規、休暇・休職制度に係る研修受講等による雇用管理改善対策を充実させる
(3)ICT活用(支援内容や申し送り事項の共有(事業所内に加えタブレット端末を活用し訪問先でアクセスを可能にすること等を含む)による介護職員の事務負担軽減、個々の利用者へのサービス履歴・訪問介護員の出勤情報管理によるサービス提供責任者のシフト管理に係る事務負担軽減、利用者情報蓄積による利用者個々の特性に応じたサービス提供等)による業務省力化を図る
(4)福祉・介護職員の腰痛対策を含む負担軽減のための介護ロボットやリフト等の介護機器等を導入する
(5)子育てとの両立を目指す者のための育児休業制度等を充実させ、事業所内保育施設を整備する
(6)ミーティング等により職場内コミュニケーションを円滑化し、個々の介護職員の気づきを踏まえた勤務環境や支援内容の改善を実施する
(7)事故・トラブルへの対応マニュアルなどを作成し、責任の所在を明確化する
(8)健康診断・こころの健康等の健康管理面を強化し、職員休憩室・分煙スペース等を整備する
(9)その他

(その他)
(1)中途採用者(他産業からの転職者、主婦層、中高年齢者等)に特化した人事制度を確立(勤務シフトの配慮、短時間正規職員制度の導入等)する
(2)障害を有する者でも働きやすい職場環境や勤務シフトの構築に配慮する
(3)非正規職員から正規職員への転換を推進する
(4)職員の増員による業務負担軽減を図る
(5)その他

職場環境要件は、上記のいずれか1つに該当すれば良い(ただし、キャリアパス要件と重複するものは除く)ことになっていますので、達成の難易度は高くありません。

キャリアパス要件1(役職や職務内容に応じた賃金体系の整備)
次のイ、ロ及びハの全てに適合すること。
イ.福祉・介護職員の任用の際における職位、職責又は職務内容等に応じた任用等の要件(介護職員の賃金に関するものを含む。)を定めていること。
ロ.イに掲げる職位、職責又は職務内容等に応じた賃金体系(一時金等の臨時的に支払われるものを除く。)について定めていること。
ハ.イ及びロの内容について就業規則等の明確な根拠規定を書面で整備し、全ての介護職員に周知していること。

キャリアパス要件1とは、役職ごとに、具体的な業務、求められる資格や能力、経験年数、給与水準等を明確にして就業規則等に規定することをいいます。

現在適用している役職を整理して具体化すれば、比較的簡単に達成可能です。

就業規則等の書面で明確な根拠規定を設ける必要があることに注意してください。

キャリアパス要件2(スキルアップのための研修や資格取得支援の実施)
次のイ及びロの全てに適合すること。
イ.福祉・介護職員の職務内容等を踏まえ、福祉・介護職員と意見を交換しながら、資質向上の目標及び一又は二に掲げる具体的な計画を策定し、当該計画に係る研修の実施又は研修の機会を確保していること。
一.資質向上のための計画に沿って、研修機会の提供又は技術指導等を実施(OJT、OFF-JT等)するとともに、福祉・介護職員の能力評価を行うこと。
二.資格取得のための支援(研修受講のための勤務シフトの調整、休暇の付与、 費用(交通費、受講料等)の援助等)を実施すること。
ロ.イについて、全ての介護職員に周知していること。

キャリアパス要件2は、上記二.の資格取得のための支援であれば比較的容易に達成可能と思われます。
ニ.を選択する場合でも、福祉・介護職員と意見交換をし、目標を定める必要があります。

つまり、この時点で・・・

加算2・・・「職場環境要件」+「キャリアパス要件1」+「キャリアパス要件2」

・・・は達成できる事業所が多いかと思われます。

では、キャリアパス要件3をみていきましょう。

キャリアパス要件3〈経験や資格に応じた昇給制度の整備〉
次のイ及びロの全てに適合すること。
イ.福祉・介護職員について、経験若しくは資格等に応じて昇給する仕組み又は一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組みを設けていること。具体的には、次の一から三までのいずれかに該当する仕組みであること。
一.経験に応じて昇給する仕組み
「勤続年数」や「経験年数」などに応じて昇給する仕組みであること
二.資格等に応じて昇給する仕組み
「介護福祉士」や「実務者研修修了者」などの取得に応じて昇給する仕組みであること。ただし、介護福祉士資格を有して当該事業所や法人で就業する者についても昇給が図られる仕組みであることを要する。
三.一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組み
「実技試験」や「人事評価」などの結果に基づき昇給する仕組みであること。ただし、客観的な評価基準や昇給条件が明文化されていることを要する。
ロ.イの内容について、就業規則等の明確な根拠規定を書面で整備し、全ての福祉・介護職員に周知していること。

キャリアパス要件3は、「勤続年数」、「経験年数」、「資格」などに応じた昇給の仕組みを作ることを求めています。

昇給は必ずしも基本給部分でなくてもよく、手当や賞与でも構わないとされています。
つまり、「資格」に応じた手当で段階的な昇給の仕組みを設けることでも達成は可能です。

「資格」は介護福祉士や介護支援専門員など公的なものに限られず、会社独自で設定した資格に応じて昇給する仕組みでも構いません。

「介護福祉士資格を有して当該事業所や法人で就業する者についても昇給が図られる仕組みであることを要する」とは、介護福祉士がゴールであってはならず、例えば、介護福祉士も介護支援専門員の資格を取れば昇給できるというような仕組みをいいます。

キャリアパス要件1と同様、就業規則等の書面による規定整備と、全ての福祉・介護職員に対する周知が必要です。

一見達成が難しそうなキャリアパス要件ですが、今ある制度を少し整備すれば達成可能なものもあるかもしれません。

「介護職員処遇改善加算」のことでお悩みの方は杉田社会保険労務士事務所へご相談ください。

 <担当者>

 助成金・人事コンサルタント: 大志万(おおしまん) 毅
 社会福祉士・医療経営士(2級)・社会保険労務士有資格者 :黒味(くろみ) 賢太郎


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